【7月21日 AFP】気候変動によりホッキョクグマが2100年までにほぼ絶滅すると予想した論文が20日、英科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジ(Nature Climate Change)に発表された。

 論文によると、海氷の減少によりホッキョクグマが餌のアザラシを狩れる時間が減り、すでに悪循環に陥っている地域もある。体重が減ることで餌がない期間を生き残る可能性が低くなるという。

 今回の研究を発案した非営利団体ポーラー・ベアズ・インターナショナル(Polar Bears International)主任科学者のスティーブン・アムストラップ(Steven Amstrup)氏はAFPの取材に「解けた氷が再び凍り、狩りに出られるようになるまでの絶食期間が非常に長くなっている」と述べた。

 研究では、分析対象となった13の亜個体群のうち12について、温暖化が今のペースで進めば80年後までに絶滅すると予想。他の6つの亜個体群については、予測に必要なデータが得られなかった。

 北極圏の温暖化は、地球全体の2倍の速さで進んでいる。ホッキョクグマが絶滅の危機にあることは長く理解されてきたが、絶滅までの期間を特定したのは今回の研究が初めて。(c)AFP/Marlowe HOOD