【7月21日 AFP】新型コロナウイルスのワクチン候補2つに対する個別の臨床試験で、ヒトに対する安全性が証明され、被験者に強い免疫反応が生成されたとの結果が20日、英医学誌ランセット(The Lancet)で発表された。

 1つ目の試験は英オックスフォード大学(University of Oxford)が1000人余りの成人を対象に実施したもので、ワクチンが新型ウイルスに対して「強い抗体とT細胞の免疫反応」を誘発した。もう1つの試験は中国江蘇(Jiangsu)省疾病予防抑制センターが率いるチームが実施。被験者500人余りの大半に広範囲で抗体の免疫反応が生じたとされる。

 これらの試験結果は、効果的かつ大規模使用に耐える安全性を持つワクチンの開発に向けた大きな一歩となる。両試験を行ったチームはいずれも、ワクチンによる副作用はほとんどなかったとする一方で、新型ウイルスでの死亡リスクが高い高齢者などを対象にしたさらなる研究が必要だと指摘している。

 新型コロナウイルスをめぐっては現在、20種類以上のワクチン候補でヒトを対象にした臨床試験が行われている。今回の試験はいずれも第2相試験で、ワクチンが免疫反応を誘発するか否かと、薬剤の忍容性の高さを検証するもの。(c)AFP/Patrick GALEY