【7月20日 AFP】ブラジル・アマゾン(Amazon)の先住民カヤポ(Kayapo)の長老で、著名な熱帯雨林保護活動家として知られるラオーニ・メトゥティレ(Raoni Metuktire)さんが体調悪化で病院に搬送された。輸血を受け、容体は安定しているという。同氏の団体であるラオーニ協会(Raoni Institute)が19日、明らかにした。

 ラオーニさんは衰弱、息切れ、食欲不振、下痢の症状で16日から入院しており、ラオーニ協会によると、現在は体調悪化の原因とみられる「消化器の出血」の発生部を特定する検査を受けている。新型コロナウイルスの検査の結果は陰性だったという。

 頭部の鮮やかな羽根飾りや、下唇に入った円盤といった装飾で有名なラオーニさんは現在90代で、アマゾンの破壊がもたらす危機を啓発するために世界中で活動をしていた。

 フランスの非政府組織(NGO)プラネット・アマゾン(Planete Amazone)の代表によると、60年以上連れ添った妻が今年6月に発作で亡くなって以降、ラオーニさんは気落ちしていたという。また「半月ほど前から発熱、下痢、嘔吐(おうと)の症状」が出始め、極度の脱水状態だったという。(c)AFP