【7月20日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)の王者ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が、もっと一体感を持って反人種差別の姿勢を示し、レース前の「膝つき」抗議のやり方を改善するよう、F1上層部に促すことを考えている。

 19日に行われた第3戦ハンガリーGP(Hungarian Grand Prix 2020)決勝で、見事な走りで大会3連覇を達成したハミルトンは、F1上層部にメールを送り、コミュニケーションを改善してもっと優れた取り組みにすることを求めていきたいと話した。

 ハミルトンは、19日の抗議にまとまりがなく、慌ただしく終わったことを指しながら、「もっと時間をくれてもいいと思う」「だから今後数日のうちにメールを送り、みんなで協調しながらもっと良いやり方を探していきたい」「彼らもそれを望んでいる。個人的には、コミュニケーションが足りていないと感じる」とコメントした。

 ハミルトンは、選手間に明らかな意見の対立があること、また今では多くの主要スポーツで行われている抗議活動について、F1は計画性が足りていないことを明かした。そして、反人種差別という目的に向かってF1が団結した姿勢を示せていないことにはっきり失望感と不満を示した。

 19日の決勝では、レース前に選手たちがパルクフェルメで膝つき抗議を行ったが、遅れてやって来る選手や立ったままの選手、そもそも姿を見せない選手もいた。ハミルトンは、F1にはこの件でのリーダーシップが足りていないと指摘している。

「『さあ、こういうふうにやるからみんなも参加してほしい』というものをトップが打ち出す必要がある。今はそれが何もない」「真剣に受け止められていないように感じるんだ。多分、そういう環境で育ってこなかったから、理解できない人がいるんじゃないかな」

「『自分は影響を受けていないから』という人もいる。『自分には関係ないのに、なんでやる必要があるんだ?』という言葉も聞いた」「だけどこれは僕や誰かの話じゃなくて、たくさんの人が差別を経験している。僕らはそれと闘い、組織で変わろうとしている」

 ハミルトンは、シーズン終了までには全ドライバーでの膝つきを実現したいと願っている。

「オーストリアでは、かなりのエネルギーを注いで何人かの選手を説得しようとした。大変だが、大事なのは今取り組んでいる選手で、そこで理解が得られたのは素晴らしいことだと思う」

「僕の夢は、いつの日か残りの選手とも意見をすり合わせ、今季最後のレースになるとしても、みんなで膝をついて団結力を示すことだ。そうなれば美しいと思う」 (c)AFP