【7月20日 AFP】ロードレース世界選手権(WGP 2020)第2戦、スペインGPは19日、MotoGPクラスの決勝が行われ、ペトロナス・ヤマハSRT(Petronas Yamaha SRT)のファビオ・クアルタラロ(Fabio Quartararo、フランス)が同クラスの今季初戦を制した。レプソル・ホンダ(Repsol Honda)の世界王者マルク・マルケス(Marc Marquez、スペイン)は激しくクラッシュして腕の骨を折る大けがをした。

 うだるように暑いコンディションの中、ポールポジションからスタートした21歳のクアルタラロは、20周目で最大の脅威であるマルケスが脱落したことにも助けられ、フランス人ライダーとしては1999年以来となるMotoGPクラス優勝を果たした。

 チームが歓喜に沸く中、興奮気味のクアルタラロは「僕の人生で一番美しい日だ」「この勝利を楽しまないと。MotoGP初優勝は毎日あることじゃないんだから!」とコメントした。

 一方のマルケスは、序盤のコースアウトは何とか乗り切って優勝争いに復帰したが、3番手で走っていた20周目にバイクのコントロールを失って転倒し、マシンと一緒に内側のグラベルを跳ねながらコース外へ投げ出されていった。

 転倒時にバイクが腕を直撃したマルケスは、そのまま病院へ緊急搬送され、チームが後に「マルク・マルケスはターン3での転倒で右上腕骨を骨折した。この後はバルセロナ(Barcelona)へ移動して手術を受ける」と発表した。

 モンスターエナジー・ヤマハ(Monster Energy Yamaha)のマーベリック・ビニャーレス(Maverick Vinales、スペイン)が2位、ドゥカティ(Ducati Team)のアンドレア・ドビツィオーゾ(Andrea Dovizioso、イタリア)が3位に入った。

 モンスターエナジー・ヤマハのバレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi、イタリア)はマルケス同様の苦い開幕戦に終わり、10番手で走っていた19周目にリタイアしてポイント獲得を逃した。しかし、Moto2クラスでは異父兄弟のルカ・マリーニ(Luca Marini、イタリア)が優勝し、ロッシ一家としては一定の成功を収めている。

 今季のMotoGPクラスは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の影響で開幕が遅れ、多くのレースが中止になっている。同クラスの開幕戦となったこのレースは無観客で実施され、スタート前には、新型ウイルスで命を落とした人を悼んで選手が1分間の黙とうをささげた。

 MotoGPクラスの次戦は同じヘレス・レーストラック(Jerez Racetrack)で26日に決勝が行われる。(c)AFP