【7月19日 AFP】タイの首都バンコクにある民主記念塔(Democracy Monument)で18日、反政府デモが行われ、若者を中心に数千人が参加した。バンコク市内で行われた反政府デモとしてはここ数年では最大規模で、抗議の声は夜遅くまで続いた。

 タイの政治はクーデターや死者を伴う街頭デモで特徴付けられ、その経済は新型コロナウイルスの流行によって前例のない打撃を受けている。経済の急激な悪化に伴って元軍幹部や王制支持者で固められた政府に対する反発が高まっている。

 デモでは学生たちが政府を痛烈に批判するラップを歌い、元陸軍司令官のプラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)首相の政権を非難するプラカードを振って、タイの厳しい不敬罪‎に関する法の撤廃を求めた。

 18歳の学生は「政府は私たちに関心がない。私たちは声を上げるか負けるかのどちらかだ」「法は金持ちを守り、国民を無一文にする」と語った。

 参加者らは公にされることがほとんどない不敬罪への反対を表明し、掲げられたプラカードには「112条撤廃」の文字が書かれていた。不敬罪を定めた刑法112条は、立憲君主制と、不可侵の存在で莫大(ばくだい)な資産を持つマハ・ワチラロンコン(Maha Vajiralongkorn)国王を批判から守っている。

 黒いシャツを着た別の参加者は「私たちが声を上げなければいけない。他には何も残っていない」と述べた。参加者の多くが黒いシャツを着ていたが、これは昨年の香港民主派デモを模倣したと語る参加者もいた。(c)AFP/Aidan JONES