【7月19日 AFP】ロシア出身の元フィギュアスケーターで、オーストラリア代表として2018年平昌冬季五輪に出場したエカテリーナ・アレクサンドロフスカヤ(Ekaterina Alexandrovskaya)さんが20歳で死去したことが18日に分かった。自殺の可能性があるという。

 ロシアの司法当局は現時点で正式なコメントを発表していないが、コーチによれば、モスクワ中心部にある建物の6階の窓から落ちたという。国内メディアは「愛している」と書かれたメモが残っていたと報じており、自殺の可能性が示唆されている。

 コーチによれば、アレクサンドロフスカヤさんは1月の練習に出てこなかったことがあり、その後にてんかんと診断され、現役を退いていた。以前からうつにも悩んでいたという。

 コーチは「危険を承知でフィギュア界にとどまらせようとした」「彼女は恐れ知らずだった。水を得た魚のようだった」と話している。

 ロシアのシステムで埋もれていたアレクサンドロフスカヤさんは、オーストラリアに国籍を変更してハーレー・ウィンザー(Harley Windsor)とペアを結成。2017年のジュニア世界選手権(ISU World Junior Figure Skating Championships)で優勝し、オーストラリアに初となるフィギュアの国際タイトルをもたらすと、平昌出場の内定を得た。ウィンザーは、アボリジニ系で初めて冬季五輪に出場した選手となった。

 ウィンザーは自身のインスタグラム(Instagram)で「悲しいことに、カティア(アレクサンドロフスカヤさん)が突然この世を去り、衝撃を受けると同時に心の底から落胆している」「僕らがパートナーとして成し遂げてきたことは、決して忘れないし、いつまでも僕の胸にあり続ける」とコメントした。

 オーストラリアアイススケート連盟(Ice Skating Australia)のピーター・リンチ(Peter Lynch)会長は、アレクサンドロフスカヤさんを「信じられない意欲と熱意を持った見事なアスリート」と評し、ウィンザーとのペアで「多くの人が不可能だと思っていたことを実現した」と話した。

「オーストラリアの記録に長く残り続けていくであろう、偉大なものを二人でつくりあげた」 (c)AFP