【7月20日 Xinhua News】中国上海市でこのほど、2020上海国際緊急感染予防物資展が開かれた。会場内のほぼすべてのブースで、質問や商談をするバイヤーの姿が見られ、大勢の人で賑(にぎ)わった。

 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、世界的な需要が減少しているが、感染予防用品だけはニーズが高まっている。中国の貿易企業はいち早く感染予防用品の生産へとかじを切り、ライブ配信で全世界に向けて商品を紹介し、オンラインでのビジネスチャンスをとらえ、感染予防用品の新たな需要がもたらす新しいチャンスの掘り起こしを急いでいる。

 江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)に本社がある敖広集団のライブ配信コーナーでは、世界の顧客に向けた商品説明や興味を持った顧客とのやり取りなどが行われ、英語でのライブ配信が終わるとすぐに、スタジオのセットと商品が「中国版」に一変し、同じ場所で中国消費者向けライブ配信が始まった。

 同集団ブランドセンターの茆国泳(Yuan Guoyong)総監は、同集団の水なしハンドソープや洗浄液が長年、世界市場でシェアをリードしているが、国内の知名度は決して高くないと説明。対外貿易市場は良好だが、国内市場での販売にも依然として挑んでおり、海外市場でよく売れている自社ブランド品を国内市場に投入していると語った。茆氏によると、天猫(Tモール)や京東(JDドットコム)などの電子商取引(EC)プラットフォームに出店し、ライブ配信したところ、効果は上々で、すぐに売り上げトップのブランドになったという。

 このような熱気あふれる商談の光景は、このほどオンライン形式で開かれた消費財の国際見本市「中国華東輸出入商品交易会(華交会)」の会場でも見られた。

 安徽軽工国際貿易の許国(Xu Guo)対外貿易副総経理は、自社の今年上半期(1〜6月)の輸出額が前年比49・3%増で、うち感染予防用品の輸出額が1億ドル(1ドル=約107円)にも達し、予想を大きく上回ったと説明。新型コロナウイルス感染症の影響でオンラインでの成約が増えており、アリババやアマゾンなどの越境ECサイトを通じて、今年上半期に約500万ドルの注文を受けたことを明らかにした。安徽軽工国際貿易にとって今回のオンライン華交会への参加は全く新しい試みで、許氏は「伝統ある対外貿易会社として、われわれはピンチの中からチャンスを見いだし、常に新たなコアコンピタンスを求めなければならない」と訴えた。(c)Xinhua News/AFPBB News