【7月18日 AFP】サッカー元ドイツ代表のFWアンドレ・シュールレ(Andre Schuerrle)が17日、29歳の若さで現役引退を発表した。

 所属するドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)は15日、1年を残してシュールレとの契約を双方合意のもと解除したと発表。2014年W杯ブラジル大会(2014 World Cup)の優勝メンバーであるシュールレ本人は、引退は「ずっと前から考えていた」と明かした。

 独誌シュピーゲル(Der Spiegel)で、自身のプロサッカー界での経験を語ったシュールレは、「この世界では、生き残るために常に一定の役割を果たさなくてはならない。さもなければ仕事を失い、二度と手に入れられなくなる」と話した。

「評価されるのはピッチ上でのパフォーマンスだけだ。もろさや弱さは、いかなる時も存在してはならない」というシュールレは、「これ以上の称賛は必要ない」という結論に達したと付け加えた。

 また、1-0でアルゼンチンを破ったブラジル大会決勝でマリオ・ゲッツェ(Mario Goetze)のゴールをアシストしたシュールレは、同大会が「人生最高の時期」だったとコメント。ドイツ代表は自身にとって安全な逃げ場だったとし、「代表は所属クラブにおけるマンネリから抜け出せる場所だった」と明かした。

 その一方で、ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督の下で2年間プレーしたイングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)時代では「深い穴に落ちた」と明かし、「もうサッカーをプレーしたくなかった。完全に燃え尽きていた」と続けた。

 その後、2015年にVfLボルフスブルク(VfL Wolfsburg)でブンデスリーガに復帰すると、翌年には移籍金3000万ユーロ(約37億円)でドルトムントに加入したが、うまくはいかなかった。

 ドルトムントではトップチームで安定して出場機会をつかめず、度重なる故障にも苦しみ、2018-19シーズンは当時プレミアリーグだったフラム(Fulham)で過ごすと、今季はロシア・プレミアリーグのスパルタク・モスクワ(Spartak Moscow)にローン移籍していた。今後については時間をかけて決断するとしている。(c)AFP