【7月23日 Xinhua News】中国新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の南部には、もともとキノコを食べる習慣はなかった。しかし、ホータン(和田)地区のカラカシュ(墨玉)県に暮らすヌルメメット・イヘチワキさんは、シイタケが大好きになった。この食用キノコが暮らしを良くするからだ。

 イヘチワキさんの一家は、牧畜とクルミ栽培で生計を立てていた。クルミの栽培はこの地域の人たちの主な収入源で、域内ではほとんど至るところにクルミ農園がある。ところが供給過剰に陥ったせいで、利益は減少する一方だった。

 剪定(せんてい)したクルミの枝や幹が新たな収入源になるなど、イヘチワキさんには思いも寄らなかった。

 新疆樹上老菌菌業は2019年暮れに創業した地元に本社を置くシイタケ栽培の企業で、クルミの木を購入し、切り分けてシイタケの原木にしている。

 同社の尹金耀(Ying Jingyao)董事長によれば、自治区南部の乾燥した気候と、リグニンが豊富なクルミの原木のおかげで、収穫できるシイタケは小ぶりでおいしく、自治区内の別の地域でよく売れているという。生産を拡大して地域経済を活性化するため、会社は地元住民と協業契約を結び、原木を提供して栽培の研修を施しつつ、できたシイタケを決まった値段で買い上げている。

 イヘチワキさんは、この事業にいち早く手を出した一人で、今年、河南省の栽培拠点へ集団見学に行ったことをきっかけに栽培を始めた。今ではそれぞれ2千本の原木を収めた栽培ハウスを二つ営んでいて、今年はハウス一つにつき1万2千元(1元=約15円)の収入を見込んでいる。「シイタケは管理が簡単で、あまり時間を取られないのが良い」とイヘチワキさんは語った。

 県内のハウスはすでに3千棟を数えるが、尹氏によれば年末までには6千棟に達するという。栽培を始めてから4カ月、すでにシイタケのとりこになったイヘチワキさんは「体に良いし、何より収入をもたらす」と話した。(c)Xinhua News/AFPBB News