【7月18日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は17日、2021年の会長選に出馬して2期目を目指すと表明した。その一方で、来年7月に延期になった東京五輪に向けて新型コロナウイルスが引き起こした問題への「解決策は今は何もない」と認めた。

 現在66歳でドイツ出身のバッハ会長は、ベルギー出身の前会長ジャック・ロゲ(Jacques Rogge)氏の後を引き継ぎ、2013年9月の会長選に当選して8年間の1期目に就いた。最後となる2期目の任期は4年となる。

 この日は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の影響でオンラインで開かれたIOCの総会に臨み、「IOC委員の皆さんが望むなら、私はIOC会長として2期目を目指し、皆さんやわれわれ全員が心から愛する五輪ムーブメントのために、これからの4年間も引き続き役目を果たしていく準備はできている」と述べた。

 IOCの次期会長選は、2021年6月にギリシャの首都アテネで行われる予定となっている。

 3月に延期が決まった東京五輪の話題に移ると、会長は大会が「全世界にとって類のない画期的な出来事」になるように期待を寄せ、「コロナ禍を乗り越えて最初の世界的なイベントになるだろう」とコメント。しかし、この前代未聞の衛生危機に際し、東京五輪の開催方式を計画する上ではさまざまなシナリオが検討中だと明かした上で、「解決策は今は何もない。想定すべきことがあまりにも多い」とした。

 さらに無観客での開催というシナリオは検討されているとしながらも、その案には否定的との考えを強調しつつ、「検討しなくてはいけないシナリオの一つ。なぜなら、渡航制限や隔離措置に関する議論が必要だからだ」「(無観客で開催するかどうかは)時期尚早だ。それはわれわれが望んでいることではない。スタジアムは熱狂的なファンで満たしたい」と述べた。

 一方、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は同日、来夏の大会に必要な会場をすべて確保したと発表し、開催に向けた大きなハードルの一つをクリアした。また、大会スケジュールの変更で観戦できなくなったチケット購入者には、今年中に払い戻しに応じることも付け加えた。

 今回の総会では、これまで何度か委員入りを阻まれてきたワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長がメンバーに選出された。(c)AFP