【7月18日 AFP】世界保健機関(WHO)は17日、新型コロナウイルスの深刻な流行に見舞われているブラジルで感染者の増加ペースが横ばいになったとし、この機会を逃さずに感染拡大を抑え込むよう同国に呼び掛けた。

 WHOで緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏は、インターネット上で開いた記者会見で「ブラジルの(感染者数の)増加は今や急激ではなく、横ばいとなった」と表明した。

 ブラジルでは感染者が200万人を超え、死者は7万7000人近くに達しており、米国に次いで世界で2番目に大きな被害が出ている。保健省が16日に発表した統計では、1日の新規感染者は4万5000人、死者は1300人を上回った。

 だがライアン氏は、感染拡大ペースは「安定化した」と指摘。ブラジルでは4~5月、患者1人から感染が広がる人数を示す基本再生産数(R0)が1.5に達し、多くの地域では2.0を上回る「極めて高い」水準にあったものの、現在では0.5~1.5にまで減少したと述べた。

 ライアン氏は、ブラジルでは以前のように感染が急激に拡大していないことを評価。これは良い知らせであるものの、「決して(感染が)自然に減少していくことを保証するものではない」と強調し、「ブラジルがこの病気を抑え込み、ウイルスの感染を抑制する機会は今だ」と指摘した。(c)AFP