【7月17日 Xinhua News】中国新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)文物考古研究所は15日、同自治区バインゴリン・モンゴル自治州(Bayingolin Mongol Autonomous Prefecture)尉犁県(Weili)の克亜克庫都克烽燧(ほうすい)遺跡から唐代の貴重な古文書と木牘(もくとく、文字の書かれた木片)が出土したと発表した。

 遺跡は大型砂丘の上に築かれ、烽燧(のろし台)や家屋などの建築物からなる。構造が整い、各種機能を備えた総合軍事施設だったとされる。昨年の発掘調査で砂丘の南、北、東側の斜面から当時のごみ捨て場の遺構が見つかり、多くの遺物が出土した。

 同遺跡発掘隊によると、今年6月末までに出土した各種遺物は1100点余り。うち700点余りが古文書と木牘だったという。

 発掘隊のリーダーを務めた同研究所の胡興軍(Hu Xingjun)副研究館員によると、古文書は出土時に多くが丸まっていたが、解読を進めることで同遺跡が唐代に「游弈(ゆうえき)」と呼ばれたパトロール隊の駐屯地だったことが分かったという。

 古文書は、唐の武周時代(則天武后が建てた周王朝時代)から開元年間に、駐屯所が管轄下の各のろし台や上級監督機関と交わした軍事文書が中心で、孔雀河に沿って設置されたのろし台に関わる各階層の軍事施設の名称が詳細に記されていた。その他、受勲の告身(こくしん、証明書)や勘定書、私信、折本、文学作品などもみられた。

 木牘は保存状態が良く、文字も鮮明で、のろし台と駐屯所間の文書のやり取り、のろしの上げ方に関する規定が記載されていた。

 胡氏は「出土した大量の古文書や木簡は、唐代に辺境の防衛を担った「軍鎮」の防御システムの研究でこれまで欠けていた史料の空白を埋めた。唐代の国境軍事施設の生活と管理制度を知るための一次資料であり、唐王朝が西域で有効な統治を実施していたことを証明している」と述べた。

 遺跡は尉犁県の県政府所在地から南東90キロの砂漠地帯に位置する。全国重点文物保護単位(国宝・重要文化財に相当)の孔雀河烽燧群の一つで、昨年9月に初めての発掘調査が実施された。(c)Xinhua News/AFPBB News