【7月17日 People’s Daily】「みなさん、こんばんは。私たちのライブ配信会に参加していただき、ありがとうございます。今年はインターネット上でお会いすることになりました。まず今年の代表的製品を紹介します」。 6月15日午後7時、TCLによるネット上の中東・アフリカ向けライブ配信が始まった。早速、中東のなじみ客から1億元(約15億円)に上る注文があり、TCL電子の呉吉宇(Wu Jiyu)副総裁はほっと一安心。

「この注文はいいタイミングで入った。下半期の輸出も出だし好調だ」と呉氏。「2013年から現在に至り、TCLとこの顧客との広州交易会での成約額は60倍になった。広州交易会はわが国で最も歴史のある交易会として、TCLの世界進出を後押ししてきた。TCLの製品は世界の160余りの国・地域で販売されるようになった」と感慨深げに語った。

 4月初め、TCLは広州交易会がネット上で開かれるとの通知を受け取った。これに不安を抱く者もいた。商談が対面からスクリーン越しになるわけで、大丈夫だろうか、という不安だ。

 広州交易会ではTCLは8点の新製品を発表、ネット上に200点余りの製品を展示した。呉氏は笑いながら「こうした展示に対して顧客からの反応はとてもよかった。多くの顧客はライブ配信を見た後、私たちに連絡してくれ、基本的合意に達する率も高かった」と語った。

 呉氏はオフラインの展示会よりオンラインの展示会の方が異なる顧客の需要にきちんと対応できるとも述べた。例えば、中東の顧客はネットと接続できる大画面のスマートテレビを好む。そこでTCLとしてはネット上に関連の製品を多く展示する。顧客も一段と強い関心を示すという。

 広州から7000キロ離れたロシアの都市ロストフ(Rostov)。電器会社の社長、ウラジーミル・エレミン(Vladimir Eremin)さんは早朝、広州交易会のライブ配信サイトを開いた。

 エレミンさんが初めて広州交易会に参加したのは2002年。当時はモスクワから広州に直航する航空便はなかった。そこで、まず北京に行き、そこで広州行きに乗り換えた。今回は交易会がネット上に引っ越したので、海外出張の苦労もなく、出費もない。国内にいたままで、出展業者と交流、商談もできる。エレミンさんは新たな体験に興奮した。

「18年来、私は広州交易会でビジネスチャンスを見つけてきた」とエレミンさん。中国の台所用品と小型家電が気に入っているという。

 中国のおかげで会社はどんどん大きくなり、従業員は現在、800人余り。モスクワとロストフに大型の倉庫を保有している。

「新型コロナウイルス感染症の流行で需要がなくなるわけではない。貿易の停滞は一時的なものだ。コロナ禍が終息したあとの需要の高まりに向け準備しなければならない」とエレミンさん。中国企業との協力に期待している。(c)People's Daily/AFPBB News