【7月17日 AFP】欧州宇宙機関(ESA)は16日、米航空宇宙局(NASA)と共同開発した太陽探査機「ソーラーオービター(Solar Orbiter)」が宇宙観測史上最も近距離で撮影した太陽の画像を公開した。

 ソーラーオービターは、影響が遠く地球にも及ぶ太陽風と太陽フレア(太陽面爆発)の調査のため、今年2月に米フロリダ州ケープカナベラル(Cape Canaveral)から打ち上げられた。

 同機は先月、最初のフライバイ(接近飛行)を完了し、太陽表面近くの現象の詳細撮影に初めて成功。今まで一度も撮影されたことがなかった「キャンプファイア」と呼ばれる小規模な太陽フレアを数十回にわたり観測した。

 太陽風は、太陽フレアにより電気を帯びた粒子が大量に放出される現象。地球を含む惑星に影響を及ぼすが、数十年にわたる研究にもかかわらず不明なことが多いままとなっている。

 ソーラーオービターは最初の軌道周回で太陽の表面からおよそ7700万キロメートル、地球と太陽の間の約半分に相当する距離に接近した。500度の高温、地球上と比べて13倍強い太陽光にも耐えられる設計となっており、最終的には4000万キロの距離まで迫る計画だ。(c)AFP/Patrick GALEY