【7月17日 AFP】英国からシリアに渡りイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に加わった後、英政府により市民権を剥奪された女性について、英裁判所は16日、帰国して政府の判断に異議を唱える機会を認められるべきだとの判断を下した。

 シャミーマ・ベガム(Shamima Begum)さん(20)は、政府の決定の適法性をめぐり訴訟を起こしていたが、今年2月、市民権剥奪に関する申し立てを扱う英国の司法機関、特別移民上訴委員会(SIAC)で行われた最初の審理で敗訴していた。それでもSIACは、ベガムさんがシリアの難民キャンプに居住していたために「公平で有効な訴え」をする機会を持つ、あるいは審理の過程で「意義ある役割」を果たすことができなかったとの判断も出していた。

 控訴院の判事3人は16日、SIACの判断を支持すると表明。「ベガム氏は(内相が)適切とみなす制約に従う必要があるものの、上訴の追求を目的として英国への入国が許可されるべきである」と述べた。

 ベガムさんは15歳だった2015年2月17日、首都ロンドン東部ベスナルグリーン(Bethnal Green)にある同じ学校の女子生徒2人とともにISに加わるために英国を出国。サジド・ジャビド(Sajid Javid)内相(当時)は、右派メディアを中心とする抗議を受けて2019年、国家安全保障上の理由からベガムさんの市民権を剥奪した。(c)AFP