【7月16日 AFP】韓国検察は、先月北朝鮮が南北共同連絡事務所を爆破した事件をめぐり、北朝鮮の最高指導者である金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)朝鮮労働党委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo-jong)党第1副部長に対する異例の捜査を開始した。関係者らが16日、明らかにした。

 北朝鮮は先月、同国内に設置された南北共同連絡事務所を爆破。この数日前に、金委員長の最側近の一人でもある与正氏が、「役立たず」の同事務所は近いうちに「完全に倒壊する」ことになると発言していた。

 ソウル中央地検はAFPの取材に対し、ソウルの弁護士が与正氏を刑事告発し、これを受けて捜査を開始したと明かした。

 告発したイ・キョンジェ(Lee Kyung-jae)弁護士は、破壊された連絡事務所は北朝鮮内にあるとはいえ、韓国政府の資金で改修されたことから、韓国の施設だと主張。

 さらにイ氏は、爆発物を使った器物損壊や平和びん乱は、韓国の刑法では死刑または7年以上の懲役に当たる犯罪だと強調した。

 北朝鮮はここ数か月の間、文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領への個人攻撃も含めて韓国批判を繰り返しており、今回の動きは改めて北朝鮮の怒りを買う可能性がある。(c)AFP