■病後も「リハビリと適切な支援を」

 COVID-19患者のさまざまな支援グループには、ソーシャルメディア上で何千人ものメンバーが集まっており、そのハッシュタグは日本語、フランス語、英語、ドイツ語などでトレンドになっている。これらのグループに投稿した人々の多くが、医師や雇用者から不信の目で見られた経験があると明かしている。

 3月に病気になった人々はとりわけいろいろな問題に直面したようだ。まだ検査数は少なく、新型コロナへの感染を確認する明確な証拠もなかったかもしれない。

 ジャッジ氏は自ら医師でありながら、勤務先の地元の病院では、スタッフらの懐疑的な態度に直面した。ある医師からは、心拍数の上昇は不安のせいだとほのめかされた。

 長引く症状はウイルスそのものが原因なのか、それとも過度の免疫反応なのか、今も明確になっていない。

 スペクター氏は、長期にわたって症状が続いている患者の一部は免疫系にウイルスの痕跡が残っているのかもしれないと述べたが、そうした状態に感染性があるかどうかは明らかになっていないと語った。

 他の疾患が、「新型コロナ感染後」のダメージを長引かせる可能性もある。

 別種のコロナウイルスによる重症急性呼吸器症候群(SARS)の患者233人を対象にした2009年の研究論文によると、病気から4年をへた後にも、40%の人々がうつ病や慢性疲労に苦しんでいた。

 論文の著者の一人、香港中文大学(Chinese University of Hong Kong)のユン・クォクウィン(Yun Kwok Wing)氏は「SARSおよびCOVID-19の患者に、リハビリテーションと適切な支援が必要なことは明白だ」と指摘する。

 新型コロナウイルスについて理解が深まるにつれて、私たちはこの病気のリスク認識を、死に至る可能性があるという以上のものに改める必要があるのかもしれない。

 若者はCOVID-19にかかっても軽度で済む可能性が高いとされている。だが、それでも実際にかかれば、何か月も症状が続く可能性があることを認識すべきだとジャッジ氏は警告している。(c)AFP/Kelly MACNAMARA