【7月16日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は15日、来年に延期された東京五輪を無観客で行うのは「明らかにわれわれが望まないこと」と述べ、「複数のシナリオ」を検討していると続けた。

 バッハ会長は、本来であれば来週に開幕を迎えるはずだったものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)によって延期が決まった東京五輪の主催者側にとって、最大の懸念は安全面だと話した。

 しかしバッハ会長は、他の大会が新型ウイルスによる中断から暫定的な再開を果たす中、今ではスポーツ界でも当たり前になっている無観客での五輪開催についてはっきりと難色を示した。

 バッハ会長はオンラインでの会見で「無観客での五輪は明らかにわれわれが望まないこと」と報道陣に語った。

「だからわれわれは、全参加者の健康を守るだけでなく、五輪の精神をも反映した五輪の解決策を模索している」

 バッハ会長と安倍晋三(Shinzo Abe)首相は、東京五輪を2021年よりも先に延期するのは困難だとそろって警告しており、平時では初となる五輪の中止という最悪のシナリオも提起されている。

 バッハ会長は「最優先は五輪に参加する全ての人の安全」と続けた。

「そのためわれわれは今、1年後にどうなっているか分からない健康状態について、大会編成面で複数のシナリオに取り組んでいる」 (c)AFP