【7月16日 AFP】デンマークのアイスクリーム会社「ハンセンス・イス(Hansens Is)」は15日、先住民イヌイット(Inuit)ら北極圏の人々に配慮し、「エスキモー」という商品名を変更すると発表した。

 同社は当初、商品名の変更に反対だったが、熟慮の末、よりふさわしい名称にすることを決めたという。同社は、「少数民族や先住民族に対する軽蔑的扱いや不平等」をめぐるより多くの情報と議論が今ではあるとしている。

 エスキモーは北極圏の先住民族一般を指す言葉として使われていたが、1970年代からこの言葉に対し、北極圏に14万人ほどいる先住民族から批判の声が上がり始めた。

 デンマーク議会に2人いるグリーンランド代表の一人、アーヤ・ケムニッツ・ラーセン(Aaja Chemnitz Larsen)氏は、エスキモーという言葉は諸説あるものの、「生肉を食べる人」という意味があると指摘した。

 デンマークの別のアイスクリーム会社「プルミエ・イス(Premier Is)」もチョコレートコーティングされたアイスをエスキモーという言葉を含む商品名で販売しているが、同社は名称を変えるつもりはないと報じられている。

 約5万5000人のイヌイットが住むグリーンランドは18世紀にデンマークの植民地に、1953年に自治権を得た。1979年に自治政府が発足、2009年に国民投票により自治権が拡大された。(c)AFP