コロナ感染「ゼロ」のトルクメニスタンで肺炎 WHOが懸念
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【7月16日 AFP】世界保健機関(WHO)は15日、中央アジアのトルクメニスタンで肺炎の患者が報告されていることについて「懸念」を表明した。閉鎖的な同国では新型コロナウイルスの感染者がまだ出ていないとされている。
WHOの欧州緊急対応を担当するキャサリン・スモールウッド(Catherine Smallwood)氏は、遅延を経たのちに行われたトルクメニスタンへの10日間の訪問を終えた後の記者会見で、同国政府に対し「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行がすでに始まっているかのように」対応し、濃厚接触者追跡などの措置を講じるよう勧告。
「われわれは急性呼吸器疾患や肺炎の報告を認識し、懸念している」と表明した一方で、新型ウイルスの感染拡大予防策として同国政府が「最近、より厳格な措置を講じた」ことについては評価すると述べた。
スモールウッド氏はトルクメニスタンの公式統計を引用し、人口およそ600万人の同国ではこれまで6万件の新型ウイルス検査が行われたと説明した。
トルクメニスタンでは13日、保健省が大気中に含まれる「高濃度の粉じん」と「病原体」について警告。警察はマスクを着用していない市民らの拘束を開始した。
独裁体制が敷かれる旧ソ連構成国の同国では、保健当局による新型ウイルス感染者の発表はないものの、政府が感染者確認を認める準備を進めているとの臆測が広がっている。(c)AFP