【7月15日 AFP】人の汗の匂いを嗅いで新型コロナウイルスの感染者を探知できるよう、チリの警察が犬の訓練を行っている。

 警察によると、訓練を受けているのは4〜5歳の3匹のゴールデンレトリバーと1匹のラブラドルレトリバーで、これまでは違法薬物や爆発物の発見、行方不明者の捜索に当たっていた。

 獣医疫学を専門とするチリ・カトリック大学(Universidad Catolica de Chile)のフェルナンド・マルドネス(Fernando Mardones)教授によると、ウイルス自体は無臭だが、感染により人間の代謝に変化を及ぼし、犬が探知可能な特有の汗が出るようになる。

 また、犬を使った新型コロナウイルス感染症患者の探知は、欧州とドバイでの研究で95%の確率で成功しているという。

 人間の病気を専門とする探知犬の養成を行っている英慈善団体「メディカル・ディテクション・ドッグス(Medical Detection Dogs)」も3月下旬、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の探知が可能な犬の養成を目指して訓練を開始している。

 国際獣疫事務局(World Organisation for Animal Health)によると、犬から人間に新型コロナウイルスが感染する可能性は低いという。

 チリでのコロナ探知犬の訓練は1か月前から始まっており、今後はチリ・カトリック大学のクリニックで治療を受ける患者の汗をサンプルとして使用する。

 計画では、探知犬は駅や空港といった人通りの多い場所に派遣されることになっている。(c)AFP