【7月15日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は14日、レイプの告発を受けて捜査対象となっているジェラルド・ダルマナン(Gerald Darmanin)氏(37)を内相に任命した自身の決定を擁護し、何人たりとも世論やソーシャルメディアによって裁かれるべきではないと述べた。

 マクロン氏は6日、公会計相だったダルマナン氏を内相に任命。フェミニストらを激怒させ、複数の抗議デモが行われる事態になった。

 ダルマナン氏には、2009年に犯罪歴の抹消の手助けを求めてきた女性をレイプした疑いが持たれている。なお、同氏はこの疑惑を否定している。

 マクロン氏は革命記念日(Bastille Day)に合わせたテレビインタビューで、物議を醸している内相任命について初めて口を開き、「フェミニストの大義に基づく感情と怒り」を尊重すると述べた。

 だが、「もし誰かが、裁判が始まってもいないのに、告発された瞬間から世論やソーシャルネットワークによる裁きの被害者になるのならば」「われわれの民主制は変質し、私見の多数決制度になってしまう」と続けた。

 また、「私は暴力反対と真の男女同権を求める戦いにおける正義を大切にしている」と述べ、「しかし同時に、われわれの民主主義をより強固な民主主義にできるものも大切にしている。それは絶え間ない感情に譲歩しないということだ」と語った。

 マクロン氏によると、ダルマナン氏を内相に任命する前に本人と疑惑について話し合ったという。

 ダルマナン氏のレイプ疑惑をめぐっては、2018年に起訴取り下げとなったが、今年に入ってパリ控訴院が捜査再開を命じていた。

 先週にはフランス各地で大規模抗議デモが行われ、参加者たちはマクロン氏の政党「共和国前進(REM)」にかけて、「レイプ文化前進」と非難した。(c)AFP