【7月15日 AFP】モンゴル保健省は14日、南西部ゴビアルタイ(Gobi-Altai)県に住む少年(15)が腺ペストで死亡したと発表した。この少年は狩りで捕らえたマーモットを食べた後、まれな細菌性疾患である腺ペストを発症した。モンゴルや隣国中国では最近、腺ペストの感染例が数件報告されている。

【図解】伝染病とマスクの歴史

 モンゴル保健省情報・モニタリング評価局のナランゲレル・ドルジ(Narangerel Dorj)局長は報道陣に対し、「死者(少年)と接触した人のうち、まず15人を隔離した。15人は抗生物質による治療を受けている」と述べた。同県内の5地域で、6日間の封鎖措置が取られた。

 モンゴルでは今月初めにもホブド(Khovd)県で、腺ペストの感染例2件が確認されている。このときは140人以上が検査を受けたが、他に感染者はいなかった。

 中国北部の内モンゴル(Inner Mongolia)自治区でも、遊牧民の男性1人が腺ペストに感染。地元当局は、ペスト菌を媒介している恐れのあるマーモットの狩猟と食用を今年いっぱい禁止した。

 モンゴルでは政府がマーモットに近寄ったり、その肉を食べたりしないよう呼び掛けているにもかかわらず、毎年少なくとも1人が腺ペストによって死亡している。同国の農村部ではマーモットを狩ったり食べたりして育っている人が多く、一部の人はマーモットの内臓を食べると健康に良いと信じている。

 最近の一連の感染発生を受け、ロシア東部シベリア(Siberia)地方ブリャート(Burytia)共和国では、げっ歯類の検査を実施。また住民に対し、マーモットの狩猟や食用を避けるよう警告した。

 なおモンゴルの国境は、新型コロナウイルス流行を受け、閉鎖されたままとなっている。(c)AFP