【7月15日 AFP】(更新)米バイオ製薬企業モデルナ(Moderna)は14日、開発中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの臨床試験が今月27日に最終段階に入ると発表した。同ワクチンはこれまでの臨床試験で有望な暫定結果が出ている。

 第3相(最終段階)試験は米国で3万人の被験者を対象に、半数に100マイクログラムのワクチンを、半数にプラセボ(偽薬)を投与する。ワクチンによってSARS-CoV-2への感染を防ぐことができるのかどうか、あるいは、それでも感染した場合、症状の発現に向かって進行するのを防ぐことができるのかをどうかを検証することを目的としている。症状が出た場合でも、重症化を食い止めることができれば、ワクチンは成功とみなされる。

 治験や臨床試験に関する米国立衛生研究所(NIH)の情報提供サイト「クリニカルトライアルズ・ドット・ゴブ(ClinicalTrials.gov)」によると、今回の試験は2022年10月27日まで行われる。

 14日に米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に発表されたモデルナのワクチンの第1相試験の結果では、ワクチンを投与された被験者45人全員に抗体ができたことが示された。

 これまでに世界で1320万人が感染し、57万人が死亡している新型コロナウイルスに対するワクチンの開発競争で、モデルナは先頭に立っている。同社以外では、中国のバイオ医薬品企業シノバック・バイオテック(Sinovac Biotech)が第2相試験にある他、ロシアの科学者らが臨床試験を完了したと同国国営タス通信(TASS)が伝えているが、データについてはいずれも公開されていない。

 科学者らは、市場に出回る最初のワクチンが、最も効果的あるいは最も安全とは限らないと警告している。(c)AFP