【7月15日 Xinhua News】中国では、新型コロナウイルス感染症の発生を受け、保険に関心を寄せる人が増え、人々の健康意識とリスク保障に対する注目度も高まっている。多くの人が健康保険に加入することは、自らの医療保障を充実させるだけでなく、健康保険業の発展も促進している。

 銀行保険監督管理委員会(銀保監会)によると、1~5月の健康保険の保険料収入は前年同期比20・3%増の3927億元(1元=約15円)に達し、各種保険の中で伸びが首位となり、上半期の成長分野となった。

 健康保険の発展を振り返ると、保険料収入は2013年、初めて1千億元を超えたが、人身保険(生命保険、健康保険、傷害保険を含む)に占める割合は約10%だった。それ以降、健康保険は急成長し、割合は毎年約2ポイント拡大、人身保険の構造改善が進んでいる。19年、健康保険の保険料収入は7066億元となり、人身保険の20%超を占めた。

 近年、健康保険の保険料収入の伸びは生命保険、傷害保険を上回っており、19年は健康保険が29・7%だったのに対し、生保は9・8%、傷害保険は9・3%だった。業界関係者は、健康保険は医療保障制度体系の重要な構成要素であり、公的医療保険制度である「基本医療保険」を効果的に補うものとして、成長余地が大きいと見る。

 今年初め、銀保監会などの13部門は共同で、「社会サービス分野における商業保険の発展促進に関する意見」を発表した。25年をめどに、商業健康保険の市場規模2兆元超を目指す。

 南開大学(Nankai University)金融学院の朱銘来(Zhu Minglai)教授は、基本医療保険による保障が確保されている中、健康保険は今後、約20%の伸びを保つと見られ、健康保険の保険料収入はまもなく、年間1兆元を超えるだろうとの見解を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News