【7月14日 CNS】中国・広東省(Guangdong)で高速鉄道に乗っていた男性乗客が突然、記憶喪失になり、警察に保護された。自分が誰なのか、どこから来たのか分からない状態だったが、会社の経営者であることが判明した。

 広州鉄道(China Railway Guangzhou Group)仏山鉄道警察署によると、広東省の鬱南駅で今月上旬、チケットを持っていない男性を駅員が発見。男性はどこから乗車したかを言えず、駅員と正常なやりとりもできなかったため、駅側が警察に通報した。男性は駆けつけた警察官に自分の名前が言えず、記憶喪失状態であることが分かった。

 男性は身分証明書も持っていなかったが、警察が身元を調べた結果、広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)桂平市(Guiping)出身で、広州市にある会社を経営する魏さん(36)と判明した。

 魏さんは広西チワン族自治区に帰るため広州南駅発柳州駅行きの高速鉄道に乗ったが、途中で突然記憶をなくし、ほかの乗客たちと一緒に鬱南駅で降りてしまった。

 警察は魏さんの姉を捜し出して連絡を取った。姉が来るまで、魏さんは少しずつ落ち着きを取り戻し、「ずっと仕事に専念したかっただけだ」「こんなふうに戻りたくない」とぽつりぽつりと話した。日々のストレスが大きく、乗車中に精神障害が起きた可能性がある。

 魏さんの姉は鬱南駅に到着すると、すぐ母親に電話をかけた。魏さんは母親の声を聞いた瞬間に泣きだした。警察は魏さんの身分証明書の再発行を手伝い、魏さんと姉はその日の夜に実家へ向かう列車に乗った。 (c)CNS/JCM/AFPBB News