【7月14日 AFP】(更新)米連邦最高裁は14日、連邦政府による17年ぶりの死刑執行について、下級審による死刑執行の差し止め命令を無効とする判断を下した。

 最高裁は、連邦政府が予定している4件の死刑執行について、「予定通り執行を進められるよう、連邦地裁の仮差し止め命令を無効とした」と発表した。

 この4件は、死刑における致死注射の使用に対し、法的手段に訴える余地を与えるため、連邦地裁判事が執行を差し止めていた。

 執行差し止めの判断は、4件のうち最初の死刑執行の数時間前に下された。「アーリア人共和国」の創設資金の一助とすべく別の男1人と共に強盗を働いた際、一家3人を殺害した元白人至上主義者のダニエル・ルイス・リー(Daniel Lewis Lee)死刑囚に対して刑が執行される予定だった。

 連邦地裁のタニヤ・チャットカン(Tanya Chutkan)判事は、執行差し止めの判断を下した際、死刑執行に単一の薬剤ペントバルビタールを使用することにより、「激痛と不必要な苦しみ」を引き起こす恐れがあり、残虐で異常な刑罰を禁止する憲法の規定に違反する可能性があると指摘していた。

 リー死刑囚は、2003年以降、またドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が連邦政府による死刑執行を再開する計画を発表して以降、連邦レベルで処刑される初の死刑囚となる。(c)AFP/Chris Lefkow