【7月14日 CNS】中国最大のEコマース企業「阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング、Alibaba Group Holding)」が米証券取引委員会に提出した会計年度リポートによると、アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー、Jack Ma)氏の持ち株比率は、今月2日時点で4.8%に低下した。それでも個人としては最大の株主の座をキープしている。一方、「家庭問題」で物議を醸したECサイト天猫(Tmall)と淘宝(タオバオ、Taobao)の蔣凡(Jiang Fan)会長は、アリババのパートナーから除外された。

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 アリババの2019年度リポートでは、マー氏の持ち株比率は6.2%だった。持ち株減少の理由は明らかにされていないが、アリババの二次上場により一株あたりの価値が低下し、同氏らがこの数か月間で保有株式を売却したとみられている。マー氏の株式保有は12億7700万株から10億4300万株に減少した。アリババの米国上場市場価格の7274億ドル(約78兆円)で計算すると、101億8000万ドル(約1兆900億円)相当の株を売却したことになる。

 アリババ幹部の蔡崇信(Joseph Tsai)氏の持ち株も1.6%に下がった。残りの経営陣が保有する具体的な株数は公表されていないが、全体で7.4%の株式を保有している。

 日本のソフトバンクグループ(SoftBank Group)はアリババの株の保有率が25.9%から24.9%に下がったが、筆頭株主の座を保っている。

 4月に「家庭問題」(不倫スキャンダル)が騒がれた蔣凡氏は、世論の反発から会社の名誉に悪影響を及ぼしたとしてアリババのパートナーから除外され、社内のポストも降格、前年度の賞与も取り消された。昨年のリポートで発表されたパートナーリストでは、33歳の蔣凡氏は38人のパートナーの一人だった。

 パートナー制度はアリババ社内の重要人事などを決める際、管理リスクを回避するために作られた集団決定制度。蔡氏は、あらゆる重要な決定においてパートナーは平等に「1人1票」を持ち、決定に従うと強調している。パートナーは任期制ではなく、アリババを退社するか定年まで続くとされている。(c)CNS-北京青年報/JCM/AFPBB News