【7月14日 AFP】世界保健機関(WHO)は13日、多くの国で新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)への対応が不足しており、近く事態が正常化する見込みはないと警告した。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長はインターネット上で行った記者会見で、ロックダウン(都市封鎖)の緩和を進める国々では、効果が実証されている感染防止策を取らなかったために流行が再燃しているとし、「率直に言えば、『オールドノーマル(旧常態)』への回帰は当面ない」、「はっきり言って、あまりにも多くの国が間違った方向に進んでいる」と明言した。

 テドロス氏は「ウイルスは依然として公衆の最大の敵だが、多くの政府や人々の行動はこれを反映していない」とし、指導者らが発する一貫性のないメッセージが信頼を損なっていると指摘。政府が包括的な感染抑制策を取らず、人々が物理的な距離の確保や手洗い、マスク着用といった基本的対策を徹底しなければ、パンデミックは「悪化の一途をたどるのみだ」と言明した。(c)AFP