【7月13日 AFP】新型コロナウイルスの流行をめぐって習近平(Xi Jinping)国家主席による権威主義と検閲を批判する文書を公開し、一週間近く拘束されていた許章潤(Xu Zhangrun)教授が、12日に釈放された。同教授の友人がAFPに明らかにした。

 友人らによると、首都北京にある名門校の清華大学(Tsinghua University)で法学教授を務める許氏は6日、20人超の集団によって北京の自宅から連行された。

 匿名を条件にAFPの取材に応じた友人2人によると、許氏は12日に釈放されて自宅に戻った。健康状態に問題はないという。

 許氏は海外のウェブサイトで公開した文書の中で、毛沢東(Mao Zedong)以来最も強権的な習氏の権力基盤に関して、「統治構造を崩壊」させていると指摘した。

 許氏の友人によると、警察を名乗る男性が許氏の妻に電話をかけ、許氏が買春を持ちかけた疑いで逮捕されたと伝えたという。友人は、許氏に対する容疑は「ばかげており恥知らず」だと述べている。

 この友人によると、許氏は拘束される一週間前にも自宅監禁下に置かれていたという。厳しい検閲を受ける中国の学界においては異例にも、許氏は公に政府批判を展開していた。(c)AFP