【7月13日 People’s Daily】浙江省(Zhejiang)湖州市(Huzhou)嘉業堂蔵書楼は、にぎやかな旧市街に立っている。近頃、ここでは10年を費やした版木の保護作業がついに完成した。20万枚の版木が、木を傷めない方法で刷られ、データ化されてアーカイブが形成された。目下、全面的な修繕作業が進行中である。

 版木の保護伝承の背景には、鄭興宝(Zheng Xingbao)さん親子2代の、数十年にわたる黙々とした文化財保護のリレーがあった。

 1984年、軍から復員した鄭興宝さんが嘉業堂蔵書楼に配属され、4代目の守人になった。20年後、息子の鄭宗男(Zheng Zongnan)さんは上海の好待遇の仕事を辞め、蔵書楼に戻ってきて図書管理員になった。現在、興宝さんは退職し、宗男さんがバトンを受け継いで、「文化財保護の長距離走」を走り続けている。

 息子が戻ってきたばかりの頃、興宝さんは浙江図書館(Zhejing Library)に一通の手紙を書き、宗男さんが図書館で古籍修復チームの訓練を受けられるよう頼んだ。宗男さんは元々土木工事が専門だったので、そのチームに加わったとき自分は全くの門外漢だった、と当時のことを回想する。「訓練から帰ってきてすぐ、父は私に難題を出しました。古籍1000部の整理です」

 1年以上の模索と実験を経て、宗男さんは辞書をボロボロになるまで使い込み、やっとこのプロジェクトの重任を完遂した。

 2010年10月、「嘉業堂蔵書楼の版木保護作業」が正式に発足し、親子はこのプロジェクトで重い任務を果たし、毎日書庫の中で、同じような作業を繰り返した。版木を洗い、日干しし、その後で整理して順に並べ、写真を撮ってアーカイブに加え、また印刷装丁して本を作り、最後に版木を棚に戻す。

 1日に少なくとも9時間は仕事に打ち込み、親子2人はほぼ全ての精力を一枚の版木に注ぎ込んだ。書庫の外は観光客でにぎわっていたが、書庫の中は静かな別天地だった。
鄭宗男さんは幼い頃から蔵書楼で育ち、瓦の一枚一枚、一層一木までよく知っており、知らず知らずのうちに染みついた古籍への愛、蔵書楼への思いは言葉にならないものだ。「私にとって、蔵書楼に戻るというのは運命のいたずらであり、さらに一種の責任でもありました」

 去年の11月、国家文物局のサポートを受け、嘉業蔵書楼は修繕工事が始まった。今回の修繕は宗男さんにとって本当にうれしいものだったという。「在りし日の姿を修復するという、私達の希望が通ったのです。蔵書楼は最も栄えていた時の姿を取り戻すことでしょう」

 蔵書楼は大変に古く、多くの図面資料はもはやどこに行ったか分からなくなっている。「修繕中に電気回路などの問題にあたれば、いつも父に教えを請いました。彼はここの生きた地図ですから」宗男さんは言う。

 今、浙江図書館地方文献部副主任となった宗男さんは、さらに大きな1つの目標を立てた。蔵書楼を学校に「運ぶ」ことだ。南潯区の小学校では、蔵書楼と提携した版木印刷の授業が児童にとても喜ばれており、啓蒙と技術の普及に一役買っている。(c)People's Daily/AFPBB News