【7月13日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)は12日、トルコ・イスタンブールにある世界的に有名な建造物アヤソフィア(Hagia Sophia)のモスク(イスラム礼拝所)化決定について「大変悲しく思う」と述べ、世界で巻き起こっている非難の声に呼応した。

 教皇はサンピエトロ広場(Saint Peter's Square)で行った説教の後半、「アヤソフィアについては、大変悲しく思う」と述べ、今回のトルコの決定に対するバチカンとしての最初の反応を示した。

 バチカンの日刊紙「オッセルバトーレ・ロマーノ(l'Osservatore Romano)」は、その前日に各国の反応を掲載していたが、バチカン独自の見解は表明していなかった。

 今から1500年前、アヤソフィアはキリスト教国家のビザンツ(Byzantine)帝国時代に大聖堂として建造された。歴代皇帝の戴冠式が行われていたこの建物は、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)にも登録されており、世界各国から観光客が訪れる。

 アヤソフィアは1453年にオスマン(Ottoman)帝国が首都コンスタンティノープル(Constantinople、現イスタンブール)を征服した後、モスクに改造され、1935年からは博物館として公開されていた。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は10日、アヤソフィアでのイスラム教の礼拝を24日に開始すると発表している。こうした一連の行為をめぐっては、イスラム教徒が大半を占める同国の宗教的に中立な文化の破壊であるとして批判の声が上がっている。

 映像前半は上空から撮影したアヤソフィアの資料映像、5月撮影。後半はモスク化決定が発表された後のアヤソフィア周辺、11日撮影。(c)AFP/Ljubomir MILASIN