【7月13日 AFP】(更新)ポーランド大統領選は12日、決選投票が行われ、公式集計の結果、右派ポピュリストで親米派のアンジェイ・ドゥダ(Andrzej Duda)大統領(48)が、リベラル派で欧州寄りの首都ワルシャワ市長、ラファウ・チャスコフスキ(Rafal Trzaskowski)氏(48)を破り、再選を果たした。

 選挙管理委員会は開票率99.97%の時点で、ドゥダ氏の得票率が51.21%、チャスコフスキ氏は48.79%と発表した。

 チャスコフスキ氏は、物議を醸している司法改革の撤回により欧州との関係を修復すると公約していた。ドゥダ氏の与党「法と正義(PiS)」は、苦労して獲得した民主主義的自由を共産主義政権崩壊からわずか30年で損なおうとしていると非難されている。

 ドゥダ氏は地方部や小都市、東部一帯で支持を伸ばした。大都市やドイツ国境に近い西部では、チャスコフスキ氏に投票した有権者が多かった。

 専門家は、選挙結果があまりに僅差なため訴訟が起きる可能性が高いとみている。ワルシャワ大学(University of Warsaw)のアンナ・マテルスカ・ソスノフスカ(Anna Materska-Sosnowska)氏(政治学)は、「選挙結果への抗議はほぼ確実に起きるだろう」と述べ、最終的には最高裁の判断を仰ぐことになるとの考えを示した。

 投票所では、新型コロナウイルスの感染防止のためソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)が徹底され、長蛇の列ができた。投票の際はマスクを着用し、手指の消毒を行った上で各自が持参したペンを使用。年金生活者と妊婦、子連れの有権者を優先する対応も取られた。

 大統領選は当初5月に予定されていたが、新型コロナ流行の影響で投票所が開かれず延期された。ドゥダ氏の支持率はその後急落。先月28日に改めて行われた投票では、首位に立ったドゥダ氏の得票率が過半数に届かず、2位だったチャスコフスキ氏との決選投票にもつれこんでいた。(c)AFP/Dario THUBURN and Mary SIBIERSKI