【7月12日 AFP】ボスニア・ヘルツェゴビナは11日、1995年に起きたスレブレニツァ(Srebrenica)の虐殺から25年を迎え、現地で追悼式典が行われた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受け、式典の規模は大幅に縮小された。

 新型ウイルスの拡大を食い止めるため厳格な制限措置が取られたが、多くの人が追悼式典に参列。式典の中で過去1年間で身元が明らかになった犠牲者9人の遺体が埋葬された。

 1995年7月11日、イスラム系住民が多数を占めるボスニアの町、スレブレニツァをセルビア人武装勢力が急襲。数日間でイスラム教徒の成人男性や少年約8000人を連れ去って殺害し、遺体を埋めた。第2次世界大戦(Warld War II)後に欧州で発生した残虐行為としては最悪のものとされている。

 この事件は、クロアチア人、イスラム教徒、セルビア人が戦って約10万人が死亡した1992〜95年のボスニア・ヘルツェゴビナ内戦末期に発生し、2つの国際法廷でジェノサイド(集団殺害)と認定された。これまでに80か所以上から約6900人の遺体が見つかり、身元が特定されている。

 今も多くのセルビア人から英雄として尊敬されているセルビア人武装勢力の元司令官ラトコ・ムラディッチ(Ratko Mladic)被告は2017年、国連(UN)の法廷で、スレブレニツァの虐殺などの戦争犯罪の罪で終身刑を言い渡された。同被告は上訴し、裁判は今も続いている。(c)AFP/Rusmir SMAJILHODZIC