【7月12日 Xinhua News】中国電子商取引(EC)大手アリババグループ傘下の先端科学技術研究機関、DAMOアカデミー(達摩院)は9日、人工知能(AI)サポートによる整形外科の関節置換術について最新の研究成果を発表した。この方法は、医師による手動操作を必要とせず、手術位置を自動的に測定できる。所要時間は0・3秒以内で、従来のAIメソッドと比べると精度が2・3%以上向上している。

 DAMOアカデミーの医療AIアルゴリズム専門家は、全人工股関節置換術は中国で最も一般的な手術で、従来の方法では、医師が損傷した股関節のレントゲン写真から患部を見つけ出し、大腿骨頸部の角度や脚の長さなどを計算する必要があり、その過程で1時間以上かかっていた。また、位置が正確でなければ、手術効果に大きな影響が出る。

 さらに、単点測定の従来型AIとは異なり、今回発表した医療用AI技術は、手術位置が素早く特定できるだけでなく、重要なポイント間の連携を強化することで、測定データをより直観的に判断できる。

 公開資料によると、同研究は医用画像処理分野のトップカンファレンスMICCAI2020に採択されているという。

 DAMOアカデミーの医療AI責任者である遅穎(Chi Ying)氏は、この技術がまもなくリリースされ、病院で使用できるようになると紹介。新型コロナウイルス感染症の流行期間中に、DAMOアカデミーが研究・開発したCT画像診断AIや全遺伝子分析AIなどの技術が、世界の620以上の医療機関で使われていることを明らかにした。(c)Xinhua News/AFPBB News