【7月11日 AFP】仏パリの検察当局は10日、新型コロナウイルス対策でのロックダウン(都市封鎖)中に一時帰休となった被雇用者へ向けた臨時の賃金支援をめぐり、仏全土で虚偽申請による「大規模な詐欺」が起きているとして捜査中だと明らかにした。

 仏政府は、コロナ危機で就労できなくなった人の給与の手取り額のうち約84%を国が支払う制度を素早く導入。

 多くの企業がこの制度に申し込み、数百万人が収入の急減を免れた。同制度では最初の1か月だけで約240億ユーロ(約2兆9000億円)が支払われた。

 しかしすぐに当局は、一部の申請に疑わしい類似性があることに気付いた。多くの場合、この制度に申し込みをしていない企業の税務登録番号が不正に使用されていた。

 パリ検察のレミ・エーツ(Remy Heitz)検事長は、「全国で1740件以上の詐欺行為があり、1069の各種事業所から170以上の銀行口座に送金が求められた」と発表。170万ユーロ(約2億1000万円)が不正に支払われたが、当局は計600万ユーロ(約7億2000万円)以上になる他の支払いは見合わせることができたという。

 救済計画があってもなお、新型コロナウイルス対策の封鎖措置で2か月にわたって事業が停止されたことを受け、仏政府は今後数か月で最大80万人が職を失うと警告している。同国では、5月から封鎖解除が進められている。(c)AFP