【7月10日 Xinhua News】中国科学院蘇州生物医学工程技術研究所は8日、中国と米国の研究者が複数の三級甲等医院(最高クラスの病院)と共同で、がん患者を対象としたリンパ節の検出・評価方法を開発したことを明らかにした。患者300人以上の研究データから、新しい方法はリンパ節の検出・評価の効率と精度を大幅に高めることが示されており、臨床医ががんの転移を判断する重要な材料となる。

 リンパ節転移は最も一般的ながん転移の一つで、がんの進行を示す重要な判断材料にもなっている。だが、臨床医が患者の画像データからリンパ節構造を診断することはこれまで非常に困難とされ、時間と労力を費やし、精度も高くないことから、がん転移の診断で大きな課題となっていた。

 研究チームは今回、広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)や北京市、江蘇省(Jiangsu)、貴州省(Guizhou)などの三級甲等医院と共同で、人工知能(AI)技術を活用したリンパ節の検出・評価方法を開発。直腸がん患者373人を対象とした比較研究で、この方法が直径3ミリ程度の微小なリンパ節を正確に検出でき、精度は3年程度の経験を持つ画像診断医を上回ることが示された。検査結果を自動で示すことも可能で、1件の検出と評価にかかる時間は、画像診断医による検出と評価では200秒要したが、この方法ではわずか1・37秒となり、大幅に短縮された。(c)Xinhua News/AFPBB News