【7月10日 AFP】ごみから生成したエタノールを消毒剤として新型コロナウイルスとの闘いに活用する「シンプル」かつ低コストな方法を、イスラエルの科学者らが開発した。「より簡単かつ安価で、小規模なうえ環境にも優しい」手法だという。

 テルアビブ大学(Tel Aviv University)のハダス・ママネ(Hadas Mamane)氏のチームは、ごみを再利用してアルコールを生成する研究を5年前から続けてきた。

 手指用消毒液の需要が世界中で拡大する中、研究チームは今、イスラエル国内で製造したエタノールでアルコールジェルの輸入量をまかなう方法に重点的に取り組んでいる。

「ここに、工場から排出された製紙かすや動物園から回収したわら、テルアビブ市内で採取した草がある」とママネ氏は研究室で説明すると、それらを少量ずつ装置の中に入れ、オゾンガスを投入した。ハイファ大学(University of Haifa)のヨラム・ゲルシマン(Yoram Gerchman)氏との共同研究で編み出された手法だ。

 サトウキビやトウモロコシなどの植物原料を使ったエタノール生成は以前から行われているが、製造過程は複雑で高コストだ。ママネ氏は「テルアビブ大の革新的な発見では、少量のオゾンを用いることで、より小規模かつ安価な製造が可能になった」と語った。

 ごみからのアルコール生成には、オゾン処理や酵素などの除去を経て4〜5日かかるという。ママネ氏によれば、この手法の商業化には約2年を要する見込みだ。(c)AFP/Alexandra Vardi