【7月10日 AFP】米カリフォルニア州は9日、新型コロナウイルス流行を受けて秋学期から履修する全課程がオンライン授業となる留学生に現行ビザ(査証)での滞在を認めない新規制をめぐり、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権を提訴すると発表した。

「トランプ政権の非合法な政策は、(中略)新型コロナウイルスの感染拡大を悪化させ、米国で学ぶ数十万人の留学生を国外追放する恐れがある」とカリフォルニア州は主張している。

 米移民税関捜査局(ICE)は6日、秋学期からオンライン授業のみを履修する米教育機関に通う留学生の入国と滞在を認めないと発表した。この施策は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が続く中での授業再開に慎重な米教育機関に対するホワイトハウス(White House)の圧力とみられている。

 ザビエル・ベセラ(Xavier Becerra)州司法長官は、「大学に通うチャンスを得た学生たちの教育機会だけでなく、学生の健康と心身の安寧をも危険にさらすトランプ政権は、恥を知れ」と批判。対面授業の再開を強要すれば、州内の教育機関に財政的に大きな負担がかかるだけでなく、教育現場がCOVID-19の「スーパースプレッダー」となりかねないと指摘した。

 カリフォルニア州立大学(California State University)は、秋の新学期からオンライン授業中心の講義を行う予定。

 同じく新学期から全授業のオンライン化を計画しているハーバード大学(Harvard University)とマサチューセッツ工科大学(MIT)も、新規制をめぐってトランプ政権を提訴している。(c)AFP