【7月10日 AFP】米カリフォルニア州パームデール(Palmdale)で木からつり下がった状態で死亡しているのが見つかり、リンチされた恐れも取り沙汰された黒人男性ロバート・フューラー(Robert Fuller)さん(24)について、当局は9日、自殺だったと発表した。

 当局によると、パームデール市庁舎の近くで首にロープを巻いた状態で見つかったフューラーさんは、2017年から心の病と闘い、自殺を考えていたという。

 ロサンゼルス郡のクリス・マークス(Chris Marks)捜査官は記者会見で、「検視官が最終検視報告書を保安官事務所に提出し、この件を自殺と見なした」と述べた。

 最終検視報告書によると、フューラーさんの死に何者かが関与したことをうかがわせる外傷はなかったという。

 フューラーさんの死については、遺体発見後まもなく自殺とされたが、当局はその判断を撤回して詳しい捜査を命じていた。週末に大勢の人が集まってフューラー氏の死について徹底的な捜査を求め、遺族は自殺説に疑問を唱えていた。

 ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で5月25日に黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さんが警官に拘束されて死亡したことを受けて、警察による暴力と人種差別に反対する大規模な抗議行動が米各地で起きる中、フューラーさんの死は大きく報道された。

 5月31日にもパームデールから約80キロ東に位置するビクタービル(Victorville)で、別の黒人男性が木に首をつった状態で発見されていた。こちらも自殺だったことが分かっている。(c)AFP