新型コロナ、母親から胎児への感染可能性示す「有力な証拠」 伊研究者
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【7月10日 AFP】イタリアの研究者らは9日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の母親から胎児へウイルスが感染する可能性を示す「有力な証拠」が認められたと発表した。世界的な大流行の中、妊婦をどう守るかに影響を与える可能性がある。
乳児の新型ウイルス感染はこれまでも個別に確認されていたが、この研究は母親と乳児の感染とのつながりを強く示している。
イタリアの研究チームがCOVID-19で入院した妊婦31人を対象に調査を行ったところ、出産予定日前後で出産した1人の胎盤と臍帯血(さいたいけつ)、膣(ちつ)、母乳にウイルスが確認された。
また、複数の妊婦の臍帯血と母乳の検体に、COVID-19に特異的な抗体が検出された。
研究者らは、子宮内で母から子へ感染する垂直感染の可能性を「強く示唆する」ものだとしている。
研究の主執筆者であるイタリア・ミラノ大学(University of Milan)のクラウディオ・フェニツィア(Claudio Fenizia)氏はAFPに対し、「世界中の感染者の数を考えれば、この(研究結果の)影響を受ける可能性のある女性の数は潜在的に非常に多いだろう」と述べた。
フェニツィア氏は一方で、研究期間中に生まれた新生児で、COVID-19検査で陽性反応を示したケースはなかったと強調。「子宮内感染の可能性はあるとみられるものの、リスクや起こり得る可能性について明確に評価するには時期尚早だ」と述べた。(c)AFP/Patrick GALEY