【7月10日 AFP】世界保健機関(WHO)は9日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)への対応を検証する独立パネルを設置したと述べた。WHOは新型コロナウイルスへの危機対応をめぐり、米国から厳しい批判を受けていた。

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 新たに設置された「パンデミックへの準備と対応の独立パネル(Independent Panel for Pandemic Preparedness and Response)」は、ニュージーランドのヘレン・クラーク(Helen Clark)元首相と、リベリアのエレン・サーリーフ(Ellen Sirleaf)前大統領が主導する。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長はスイス・ジュネーブのWHO本部で、「あなた方を通じて、世界は何が起こったかの真実を、また一つの人類として、われわれがより良い未来を築くための解決策を理解することになる」と表明した。

 WHOの加盟各国は5月の年次総会で、度重なる米国の批判を受けてWHOの新型コロナウイルス対応を検証する独立調査を行うことで合意した。独立パネルの設置を定めた決議案によると、同パネルは「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに関するWHOの行動と(行動を時系列で整理した)タイムライン」の検証が求められている。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領はパンデミックの対応に不手際があり「中国の操り人形」であるとしてWHOを批判していた。米国は7日、WHOからの脱退手続きを正式に開始した。(c)AFP/Robin MILLARD