【7月9日 AFP】コンゴ民主共和国の副保健相が、「マフィアのネットワーク」が新型コロナウイルスの流行対策に使われるはずの資金を盗んでいると非難していることが、AFPが8日に入手した書簡で分かった。

 この3枚におよぶ「覚書」は、副保健相のアルベール・ムペティ・ビヨンボ(Albert M'Peti Biyombo)氏から、首相であるシルベストル・イルンガ・イルンカンバ(Sylvestre Illunga Ilunkamba)氏に送られたもの。両氏は共に連立政権のパートナー政党である、ジョゼフ・カビラ(Joseph Kabila)前大統領の政党、コンゴ統一戦線(FCC)に所属している。一方、エテニ・ロンゴンド(Eteni Longondo)保健相は、フェリックス・チセケディ(Felix Tshisekedi)大統領率いる民主社会進歩同盟(UDPS)に所属しており、連立政権内での不和が浮き彫りになった。

 ムペティ・ビヨンボ氏は、「保健省内に、資金を盗む強力なマフィアネットワークが存在する」と書いている。さらに、「このマフィアネットワークは、資金の受取人に35%の見返りを要求している」とも指摘している。

 首相に近い筋および議会関係筋が、この書簡は本物だと確認した。書簡には「極秘」と記されていたが、連立政権内での政治的危機という状況にもかかわらず、ソーシャルメディアに流出した。

 同国首都キンシャサでは、保健省職員らが6日から、未払いとなっている3か月分の給与の支払いを求めるストライキを行っている。(c)AFP