■1〜5月半ばに燃えた森林は480万ヘクタール

 シベリア北部で一年のうち、通常より早い時期に雪が解け始めると、乾燥した草木や土壌が地表に露出することで火災が拡大しやすくなる恐れがあると、環境団体グリーンピース・ロシア(Greenpeace Russia)の森林部門を統括するアレクセイ・ヤロシェンコ(Alexey Yaroshenko)氏は説明した。

 グリーンピースが6月に発表した報告書によると、シベリアでは1月から5月半ばまでに、110万ヘクタールの高緯度北方林を含む480万ヘクタールの森林が火災で壊滅的な被害を受けている。

 クラスノヤルスク(Krasnoyarsk)市森林局の森林監視研究所のビャチェスラフ・ハルク(Vyacheslav Kharuk)所長は、気候変動によって森林火災の発生件数は「10年間で倍増」したと指摘する。

 森林火災によって、極北地域の北方林が二酸化炭素(CO2)やメタン(CH4)を保持する容量は低減する恐れがあり、気候変動の一因となる温室効果ガスの排出量も増える。

 ハルク氏の研究所が実施した調査によると、2000~2009年には火災で焼失する森林面積は年間平均約300万ヘクタールだったが、2010~2019年には、この平均値が600万ヘクタールに倍増している。

 映像前半はカイコガの幼虫、クラスノヤルスク市森林局提供。後半は同市で発生した森林火災現場、2019年8月撮影・一部は環境団体グリーンピースが撮影・提供。(c)AFP/Marina LAPENKOVA