【7月9日 AFP】マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は8日、中国のインドに対する「攻撃」を非難し、新たにブータンとの間で領有権争いを始めたことは「いじめ」だと述べた。

 中国とインドは先月15日、印ラダック(Ladakh)地方ガルワン(Galwan)渓谷で衝突、インド軍兵士20人が死亡し、両国の間で緊張が高まった。

 ポンペオ氏は記者会見で、「中国は信じがたいほど攻撃的な行動を取った。インドは最善の対応をした」とし、インドのスブラマニヤム・ジャイシャンカル(Subrahmanyam Jaishankar)外相と、中国とインドとの緊張が高まっていることについて複数回協議をしたと明らかにした。

 中国はインドとの衝突後、ブータンが野生動物保護区のための国際的な助成金に応募したことに異議を唱え、新たに同地区の領有権を主張した。

 ポンペオ氏は、インドが外交政策に影響力を持つブータンに対する中国の領有権の主張を、ベトナムと日本との領有権争いと関連付け、「自分たちの主権がどこまでなのかということ、また中国共産党が主権を尊重していると言える国は多くない」と述べた。

 さらに、「中国政府は領有権争いをあおることを繰り返している。世界はこのいじめを許してはならない」と強調した。

 ポンペオ氏は中国に対する厳しい姿勢で知られているが、中国とインド両国政府の緊張についてはツイッター(Twitter)でインド側に死者が出たことに哀悼の意を表しただけで、いつになく発言を控えていた。(c)AFP