【7月11日 Xinhua News】中国河北省(Hebei)定州市(Dingzhou)には、清代に同省中部地域の科挙の地方試験「郷試(きょうし)」の会場だった「定州貢院」が保存されている。中国北方地域で当時の姿を最も良く残す貢院(科挙の試験場)とされており、2001年に全国重点文物保護単位(国宝・重要文化財に相当)に指定された。

 敷地は四角形で、面積は2・21ヘクタール。文官と武官の試験場がそれぞれ西と東に分かれている。文官用の会場は中心線を基準に南向きの建物が左右対象に配置されており、南から北へ影壁、正門、魁閣号舎(試験場)、正庁、後楼の順で並ぶ。武官用の会場は「外場」とも呼ばれ、演武場や文昌宮、後宮、馬道がある。

 定州貢院は「挙人」と呼ばれる郷試の合格者を227人輩出し、清代の人材選抜登用に貢献した。貢院の建物は、同時代の地方建築芸術と清代科挙制度の研究の一次資料となっている。(c)Xinhua News/AFPBB News