【7月9日 AFP】ドイツ・ベルリンで行われるテニスのエキシビション大会の主催者は8日、参加を予定していたアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)とニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)が、出場を辞退したと明かした。キリオスは、新型コロナウイルスの自主隔離中にパーティーに参加したズベレフを「自分勝手」と批判。同大会は両者の対戦が実現する可能性があったため注目されていた。

 ズベレフとキリオス、そして世界3位のドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)は、13日から19日にかけて開催される男女が参加するトーナメントに出場する予定だった。

 世界ランク7位のズベレフは自身のSNSで、「今月ベルリンでプレーする予定だったが、移動はせずにチームとトレーニングすることに決めた。現時点では大会でプレーするつもりはない」と明かした。

 試用期間ながらも昨年引退したダビド・フェレール(David Ferrer)氏がコーチ陣に加わったことを発表したズベレフは、「地元でプレーするチャンスをふいにすることは決して良いことではない。すぐに戻ってくる」と続けた。

 また、世界40位のキリオスの母国オーストラリアは、メルボルンが再びロックダウン(都市封鎖)されるなど新型コロナウイルスの感染が拡大。渡航リスクがつきまとう中、同大会のトップを務めるエドウィン・ウェインドーファー(Edwin Weindorfer)氏は、「5月にニック・キリオスの参加を決めたときはこのような展開は予想できなかった」と同選手の辞退を発表した。

 また、ズベレフとキリオスという目玉選手の代役については同氏は、「本当に時間がない。だが見つけられるよう最後まで全力を尽くす」と話した。

 両選手の出場辞退は、キリオスがズベレフとティエムへの批判を展開する中で発表された。

 ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が主催したエキシビション大会のアドリア・ツアー(Adria Tour)は、出場選手から新型コロナウイルス感染者が出て中止となり、この大会に参加したズベレフは自主隔離中に混雑するバーでパーティーに参加する姿が目撃された。

 23歳のズベレフは陰性だったものの、ジョコビッチをはじめ、グリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)やボルナ・チョリッチ(Borna Coric、クロアチア)、ヴィクトル・トロイキ(Viktor Troicki、セルビア)ら参加選手は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で次々と陽性反応を示した。

 キリオスは自身のインスタグラム(Instagram)で、「おまえはどれだけ自分勝手なんだ?」とズベレフを批判。自身の批判が「安っぽい」と述べたティエムに対しては「同じ知的レベルにない」と反撃している。(c)AFP