【7月11日 東方新報】中国共産党は今月で党創設から99年を迎えた。共産党中央組織部は先月30日、2019年末の段階で党員は9191万人に達したと発表した。1921年に13人のメンバーが集まって結成された共産党は約100年の時を経て、ドイツの総人口(約8300万人)も上回る世界最大の政治組織に発展した。そのデータの内訳を見ると、その時々の中国の実情が浮かび上がってくる。

 中国共産党は1921年7月23日に上海市で第1回党大会を開き、結党を宣言した。当時の党員は50人余りで、大会には毛沢東(Mao Zedong)ら13人が参加した。13人の平均年齢は28歳と若く、日本への留学経験者も多くいた。

 中華人民共和国が誕生した1949年の党員は448万人。その後も党員は増え続ける。2002年には当時の江沢民(Jiang Zemin)党総書記が企業家の入党を認め、党員の拡大に弾みがついた。

 企業家の入党を認める方針が明らかになった際、「中国共産党が『階級政党』から『国民政党』に発展した」と国際的にニュースで取り上げられた。党員のデータを見ると、実際にさまざまな社会階層を代表するよう、党が変容を遂げてきたことが分かる。

 女性党員は1949年の新中国建設時は全体の11.9%だったが、2019年には2466万人で27.2%に拡大した。少数民族の党員の割合も1949年の2.5%から7.3%に増えた。大学卒業以上の学歴を持つ党員はほぼ半数に。名門大学出身者が多い一流企業だと、社員の多くが党員というケースも珍しくなくなった。「労働者と農民が隊列の主体」としてきた共産党も、高学歴化が進む現状を反映している。企業経営にかかわる「経営管理人員」の党員も10.8%を占めるようになった。2018年、中国大手IT企業の阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング、Alibaba Group Holding)創業者の馬雲(ジャック・マー、Jack Ma)氏が共産党員と判明した時は大きなニュースになった。1980年代、90年代生まれの若い党員も3分の1を超えている。

 ところで、日本では「中国の国民はみんな共産党員じゃないの?」「入党が義務なのかと思った」という人もいるだろう。実際は、党員数が9000万人を超えたといっても、中国の総人口14億人の6.5%でしかない。

 党員になるには、若い学生なら学業優秀が前提で、大学構内にある「党校」で専門教育を受けて数々の課題をクリアし、党員の推薦を受けてようやく党員になれる。党員になるには、明確にそれを目指す意思と努力が必要だ。

「数は力なり」とばかりに党員は毎年300万人ほどのペースで増えていたが、習近平(Xi Jinping)氏が党総書記に就いた直後に「今の入党基準は厳格さを欠く」と指摘し、審査を厳しくする方針を打ち出した。党員が特権を使った汚職が深刻な問題になっているほか、党費を払わない党員が増えているためだ。入党審査が厳しくなり、党員数の伸びは毎年100万人ほどにとどまっている。中国経済が国内総生産(GDP)の成長率維持を最重要課題としていた時代から、「質」を重視するようになっているように、共産党員も「数」より「質」の流れになっている。(c)東方新報/AFPBB News