【7月8日 People’s Daily】身長1メートル80センチ。「外国関係ボランティア」と書かれた赤いチョッキ。サムさんは強い日差しの下でアフリカ籍の人々を訪ね回っている。

 ここは中国南部の広東省(Guangdong)湛江市(Zhanjiang)。ナイジェリア出身のサムさんは「湛江は私の第2の故郷。ここには私の家族も友人もいる」と語る。サムさんは湛江で10年余り貿易業に従事しており、妻も湛江の人だ。

 新型コロナウイルス感染症が広がる中で、サムさんは湛江のために自分が何かできないかと考えた。「私はずっと前から湛江を自分の家と思ってきた。人助けをしたかった」とサムさん。

 3月中旬、湛江市外事局は外国関係ボランティアを募集した。サムさんは直ちに妻とともに応募した。面接試験を通過したあとは、オンライン、オフラインでボランティアとしての訓練を受け、防疫についても勉強した。

 サムさんはナイジェリア語のほか、英語も流ちょうで、アフリカ籍の人々との意思疎通が円滑にできた。

 初めての募集で採用された外国関係ボランティアは46人。英語のほか、日本語や韓国語、フランス語、スペイン語のできる人もいた。湛江市外事局は近く、ボランティア15人を組織し、隔離観察を解除された外国人を支援させる計画だ。

 湛江市は新型コロナ対策として、外国関係ボランティアを動員したほか、ウクライナのブロバリー市(Brovary)に防疫体験を伝えた。

 ブロバリー市は湛江市の友好都市。新型コロナと疑われる患者が出たとき、どう対処すべきか分からなかった。市長は湛江市に文書を送り、支援を求めた。文書を受け取ると、湛江市外事局はすぐに広東医科大学付属医院と連絡をとって専門家を組織し、遠隔ビデオでブロバリー市に感染の予防・抑止、治療などに関する経験を伝えるとともに、質問にも丁寧に答えた。

 広東省では湛江市以外にも、多くの都市が海外の友好都市とコロナ禍をめぐり相互支援活動を繰り広げた。

 広東省の各都市は4月中旬までに海外の140の友好都市に対して見舞い状を送り、90の友好都市に防疫物資を寄贈した。(c)People's Daily/AFPBB News